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口コミサイトやまとめサイトに載っていた表示が間違っていた責任は?

2019年7月24日掲載

  • 口コミサイトやまとめサイトに載っていた表示が間違っていた場合、誰に責任があるのでしょうか。
  •  最近、JAROに寄せられる相談の中でインターネットの「口コミサイト」、「まとめサイト」等の誤った表示に関するものが増えています。
    【消費者からの相談事例】
     インターネットの口コミサイトで紹介されていた飲食店に行ったところ、掲載されていた営業時間が間違っていたため、利用することができませんでした。飲食店に苦情を伝えましたが「口コミサイトが勝手に掲載しているだけで、店側に非はない」と言われてしまいました。
    【事業者からの相談事例】
     事例① 美術館を運営しています。「授乳室検索〇〇」というサイトに「授乳室、おむつ替え台、ベビーカー貸出あり」と掲載されていますが、当美術館ではそのようなサービスは行っていません。来館した方から問い合わせが寄せられ、たいへん迷惑しているので誤った情報を削除してもらいたいが、運営者の情報も連絡先も掲載されていません。
     事例② レジャー施設の職員です。レジャー施設を紹介するサイトに、断りもなく当施設の案内や写真を掲載され、リンクが張られています。しかも営業期間や営業時間が間違っているため、問い合わせや苦情が多数寄せられ迷惑しています。

     商品やサービスを選ぶ際、口コミサイトやまとめサイト等を参考にしている方も多いでしょう。これらは、事業者が掲載している広告なのか、第三者が独自に掲載している情報なのか、一般消費者からは見分けがつきにくいものです。
     以前、飲食店が口コミサイトに自ら口コミ情報を書きこんだり、第三者に依頼して良い口コミを書かせる「やらせ投稿」行為が問題になりました。消費者庁は「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」内で「商品・サービスを提供する事業者が、顧客を誘引する手段として、口コミサイトに口コミ情報を自ら掲載し、又は第三者に依頼して掲載させ、当該「口コミ」情報が、当該事業者の商品・サービスの内容又は取引条件について、実際のもの又は競争事業者に係るものよりも著しく優良又は有利であると一般消費者に誤認されるものである場合には、景品表示法上の不当表示として問題となる」としています。
     一方、第三者が口コミサイトに書き込んだり、一般に公表されている情報等をまとめたサイトを作成して公開する行為自体を問題にすることは難しいと思われます。さらに、誤った情報が掲載されていたとしても、サイト作成者と掲載された事業者との間に契約関係がない以上、掲載を中止させることも同じく難しいと考えられます。また、景品表示法で規制している「表示」とは「顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他の表示」であり、まとめサイト等は自らが取引を行っていないことから規制の対象外です。
     しかし、事業者が依頼していないにもかかわらず第三者が作成した口コミサイトやまとめサイト等に誤った情報が表示されていることは、事業者にとっても消費者にとっても迷惑な話です。第三者が一般に公表している情報を利用する場合やリンクを張る場合は、その情報元の事業者からあらかじめ許可を得ることが望ましいと思われます。また、口コミサイトやまとめサイト等は運営者の連絡先を表示しておき、情報の修正の依頼があればすみやかに応じることが望ましいと考えます。
     事業者からの相談事例①の場合は、相談者がドメイン検索を行い、ドメインの契約者に連絡を取って修正を依頼してみるとのことでした。事例②の場合は、相談者が運営者に直接苦情を申し出て修正されたとのことでした。
     利用者側も、口コミサイトやまとめサイト等の表示を鵜呑みにせず、事業者の公式HPで確認したり、事前に電話で問い合わせるなどして確認することをお勧めします。

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