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背が伸びる子どものイメージ
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食品

栄養機能食品で子どもの背が伸びる?

2025年9月30日掲載

  • 栄養機能食品のインターネット広告に、食べるだけで子どもの背が伸びたり、集中力が高まったりする表示がありますが、問題ではないでしょうか。
  • この栄養機能食品の対象成分はビタミンDであり、ビタミンDの栄養機能表示は「腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素です。」とされています。

    広告では、「背が低いのを気にしていたけど、○○ちゃんより大きくなった!」等、当該商品を食べることで子どもの背が伸びるかのような体験談が表示されていました。繰り返しになりますが、この栄養機能食品で広告してよいのは、「腸管でのカルシウムの吸収を促進し、骨の形成を助ける栄養素である」ということまでであり、「食べると子どもの背が伸びる」は未承認の医薬品の広告を禁止する医薬品医療機器等法68条に抵触するおそれがあります。
    また、食べるだけで子どもの集中力が高まり、イライラが軽減するかのような表示も展開されていました。
    ほかにも、「体調を崩さなくなった」や「風邪をひきにくくなった」などの病気が予防できるかのような表示も複数あったため、これらについても薬機法68条に抵触するおそれを指摘しました。

    また、広告ではビタミンD以外の配合成分についても、「(成分名)はやる気がアップする」とか「(成分名)は目にいい」など殊更に取り上げて、身体への効果を標ぼうしていました。消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」によると「栄養機能食品は、特定の栄養成分を含むものとして国が定める基準に従い当該栄養成分の機能を表示することができる食品であり、国が定める基準に係る栄養成分以外の成分の機能の表示は虚偽誇大表示等に当たるおそれがある」とされています。よって、国が定める基準に係る栄養成分以外の成分の機能の表示に該当し、食品の誇大表示を禁止する健康増進法第65条第1項に抵触するおそれがあります。

    以上を広告主へ指摘し、今後の広告・表示展開については適正な表示を行うようお伝えしました。

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