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設立40周年記念特集2
JAROのテレビCM40年史

1990~2002年

電話番号が変わってしまった

1990年 「ぶつぞう編」

仏頂面をしたお地蔵さんが、ぶつぶつ言い、「広告に関する苦情・お問い合わせ・相談は、ぶつぶつ言わないでJAROまでお電話ください」と言うと、温和な顔になる。

1991年 「オルゴール編」

東京版は「03・3541・2811・JARO」と歌い、「うそ・大げさ・まぎらわしい、広告に関する苦情お問い合わせはJAROまでお電話ください」とナレーションが続く。

1992年「JAROの唄編」

ピアニカ前田さんの伴奏で、タレントの小林由美恵さんが「変だなどうしておかしいぞ そんな広告見つけたよ それならJAROに聞いてみよう」と軽快に歌う。

1995年「北野大編」

大学教授の北野大さんは大学の教室で、授業と広告を結び付けて語る。ナレーションにはJAROが広告の審査をしていることを加えました。

1998年「岸田今日子編」

岸田今日子さんが「ご存じですか」と静かに語り掛け、「広告に関する苦情やお問い合わせを受け付けて公正な立場で審査する民間の団体です。問題がある広告については企業に改善を求めています」とJAROの仕事を説明する。

このころ、東京の市外局番が3桁から4桁へ順次変更され、東京・中央区にあるJARO事務局は、1990年制作の「ぶつぞう編」から4桁表示になりました。

お地蔵さんが「ぶつ」と言うと「広告に関する苦情、お問い合わせ、相談は」とナレーション。ぶつぶつ言うお地蔵さんが2体、3体と次第に増え、最多になるシーンでは12体にも。「ぶつぶつ言わないでJAROまでお電話ください」とナレーションが入ると、仏頂面だったお地蔵さんが温和な顔に。最後は、「はい、こちらJAROでございます」という相談員の女性の声が聞こえ、地蔵さんが「ぶつ」と電話で苦情を伝えます。

撮影に使ったお地蔵さんは発泡スチロール製で、撮影後は日本に在住する海外のお地蔵さん愛好家に引き取られていきました。


JAROの電話番号が変わったため、相談窓口への電話が減ってしまう懸念がありました。そこで、番号を歌で覚えてもらおうと「オルゴール編」を制作しました。東京版は「03・3541・2811・JARO」と歌います。オルゴールの中にいるのは人形ではなく実際の人間で、オルゴールの箱の映像に回転する人物の映像を合成させました。

JAROの窓口は東京、大阪、名古屋、札幌にあり、東京の番号を紹介する東日本版以外に、中部版、西日本版、北海道版も作っています。

それならJAROに聞いてみよう

1992年制作のCMは「JAROの唄編」で、ピアニカ前田(前田活人)さんの伴奏に乗って、タレントの小林由美恵さんが「JAROの唄」を歌います。

撮影場所は羽村市の動物園で、当初ロケを予定していた日は雪が降って中止となり、桜が満開の穏やかな日にあらためて撮影しました。


小林さんの歌は30秒CMでは2番までありますが、共通するのは疑問に感じる広告を見つけたらJAROに電話してみようというメッセージです。CMの最後は小林さんが「広告に関する苦情お問い合わせは」と言った後、「電話しよう!」と歌います。

これまでの「虚偽、誇大な広告があったらJAROまで」というメッセージを平易で親しみやすく表現しました。

「審査しています」をアピール

1995年から4年間は、広告について著名人に語ってもらう「JAROへのラブコール」シリーズ。「広告を審査して適正化に努める」というJAROの業務内容に理解を深めてもらうことが狙いで、多方面の方々にご出演いただきました。


これに先立つ1994年に知名度調査を行ったところ、知名はあるが業務内容が理解されていないという結果が出たため、95年の「北野大編」、「大林宣彦編」から「苦情・問い合わせを受け付け、それらの審査をしています」と、CMのナレーションに審査していることを加えました。


野球解説者の故大沢啓二さん、タレントの上沼美恵子さんが出演した1997年のCMは、「JAROがあるじゃろ」という新しいコピーを使用しました。上沼さんは楽屋で「うそおおげさ誤解を招くような広告、あれはあきません」と説明し、CMの最後は「JAROがあるじゃろ」と締めくくります。


これまでのCMでは「うそ、大げさ、まぎらわしい」と表現してきましたが、この97年のCMから「うそ、大げさ、誤解を招く」という表現に変更しました。

事務局にはさまざまな相談が寄せられますが、強引な主張で「この広告はまぎらわしい」と言う相談者から、「なぜ私の苦情に対応しないのか。JAROのCMこそまぎらわしい」とお叱りを受けることもあり、「まぎわらしい」では言葉の概念が幅広いのではないかと、「誤解を招く」に変更しました。

行政機関だという誤解

「JAROへのラブコール」シリーズ4年目は、女優の故岸田今日子さんとゲージツ家の篠原勝之さんで、これらのCMからナレーションに「民間の団体」と入れています。

広告の苦情の中には、時にJAROを行政機関と誤解した人もいて、これまでにも継続的にそうした電話が寄せられていたため、民間の自主規制団体としてのJAROを強く認識してもらおうと配慮をしたものです。

また「企業に改善を求めています」と役割を説明する言葉も付け加えました。