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眼鏡店A社のウェブサイトに、花粉対策用の「眼鏡B」に関して、「マスクをしても曇らないレンズ」「世界初!(特許出願中)」などの表示があった。花粉症でマスクをすることが多く、レンズの曇りに困っていたので、「眼鏡B」を購入した。しかし実際は、家の中でも屋外でもレンズは曇った。通常の眼鏡と比べても曇りの度合いに差はない。
また、眼鏡のフレームが花粉対策用として密閉性が高く作られているので、一度曇るとかえって曇りが取れなくなり、外を歩いていると大変危険である。メーカーにそのことを言って修理してもらったが、それでも曇ることに変わりはなかった。
諦めてそのまま使用しているが、あたかも完全にレンズが曇らないような眼鏡の広告は問題ではないか。
A社に照会したところ、「一定の条件下での使用を想定して『曇らないレンズ』という表現を使わせていただいた。今回の件は、想定していた条件以外での使用で一時的にレンズが曇ったと考えられる」との回答があり、それに伴い「眼鏡B」に関する資料が送られてきた。資料には(1)防曇効果が1年程度であり、曇りにくいこと、(2)一定の条件下で曇る場合がある―など想定外の条件下では曇ることがある旨の説明があった。
しかしながら、公正取引委員会が平成20年6月13日付で公表した「見にくい表示に関する実態調査について」では、強調表示に対する打ちし表示が必要な場合には、打ち消し表示を強調表示に近接して表示することを求めている。本広告は「曇らないレンズ」という強調表示に近接して打ち消し表示がないため、どのような条件においてもレンズが曇らないと誤認される恐れがあり、景品表示法第4条第1項第1号(不当な表示の禁止・優良誤認)に抵触する恐れがある。
また、「世界初!(特許出願中)」と優位性を強調しているが、特許出願中というだけでは世界初を裏付ける合理的根拠とは言いがたい。客観的、具体的事実に基づく合理的根拠がない場合も同規定に抵触する恐れがある。
今後は法令を順守し、適正な広告・表示を行うよう警告した。