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「簡単な書類作成で高収入」とあるが、問題ないだろうか?

内職

「自宅で簡単な書類を作るだけで高収入になる。意欲のある人を、地域限定で募集している。条件として、資格をとってもらわなければならないが、今なら教材費は、国へ補助の手続きをすれば、ほとんど戻ってくる。今日中に返事がほしい」という電話があった。いい話なので申し込もうと思うが問題はないだろうか。

資格とは行政書士で、資格取得には教材費が42万円かかるが、その内30万円は返ってくるというもの。書類作成1件当たり数万円の報酬が得られ、仕事もたくさんあるため、独立開業も可能としている。しかし、本件は内職の募集というよりも、高価な教材を売りつける資格講座商法と思われる。
 電話勧誘において、国が認めた資格であるとか、国の援助があるなど、「国」を前面に出して信用させようというケースがみられる。確かに、行政書士は国家資格で、給付制度があるが、合格率が2パーセント余りという狭き門である。事業者の説明内容がすべて虚偽とは言い切れないが、誰でも簡単に取得できる資格ではないことが、正しく伝えられていないようである。行政書士の業務は、官公庁に提出する書類や、契約などに関する書類を代理人として作成するなど、申請書類によっては、1件で数十万円になるものもある。その種類は多様で、行政書士が作成できる書類は、7,000種類以上とも言われている。しかし、好条件の内職をするための資格とするには、無理があるとも思われる。

 もう一つの好条件である国から受けられる補助とは、「教育訓練給付制度」を指しているものと思われる。これは、厚生労働大臣の指定する教育訓練を受講し、修了した場合に、本人が教育訓練施設に支払った教育訓練経費の一定割合に相当する額が、ハローワークから支給されるという制度。この場合でも、行政書士合格講座として、厚生労働大臣の指定を受けたものでなければならないし、支給額も、支払った経費の20パーセントかつ上限は10万円となっている。また、雇用保険加入期間の条件もあり、簡単に給付されるわけではない。

 国の資格は誰でも簡単に取れるものではなく、高収入が安易に得られることは難しいことを肝に銘ずべきであろう。

平成23年4月1日掲載